日本を代表するぶどう品種の１つ、「甲州」。
産地が品種名になっているので山梨県産が多い品種ですが大阪でも昔から栽培されていて、最近では九州や果てはドイツでも栽培されはじめている品種です。
日本の各ワイナリーでも甲州種に注力し、日本料理とともに和食に合うワインとして海外でもコンテストで入賞したりと評価が上がってきています。
2010年には日本固有のぶどうとして初めて国際ぶどう・ぶどう酒機構(OIV)に品種登録され、ワインラベルに「Koshu」と記載してEUへ輸出することが可能となりました。
甲州種の特徴
長らく日本原産の固有品種と思われていたため、生食用として栽培が盛んでしたが、近年ワイン用品種ヴィニフェラ系との交配品種ということが判明し、ワイン用として栽培が盛んになってきています。
淡いピンクや藤色など独特の果皮の色合いがあり、酸味が穏やかでニュートラルな味わいが和食と相性が良いということで、和食文化とともに世界的な認知もじわじわと広がりつつあります。
醸造方法もワイナリーによって色んなタイプがあり、果皮に含まれる旨味成分や香りを抽出するために、スキンコンタクトや醸しなどや樽発酵、シュール・リーなどを行っているところも多くなっています。以前は甘口ワインに仕上げるワイナリーも多かったのですが、醸造技術の進歩とともにきれいな辛口ワインが増えつつあります。
丹波ワインの甲州
丹波ワインでは山梨県から甲州種を仕入れ、素直でシンプルな造りを意識しています。
シャルドネやソーヴィニヨン・ブランほど力強さがないものの、品種の特徴である穏やかなエレガントさと酸味を活かし、料理に寄り添うような味わいが特徴です。
甲州を使ったワインは1980年代からありましたが、セパージュ名を全面に打ち出した商品化は2007年。
その後も入荷するぶどうの安定した収量や品質が確保できなかったため、発売しない年もありましたが、2016年からは甲州種を使い、商品化しています。
現在では無濾過のスティルタイプとクリアなスパークリングの２タイプを「和食に合う甲州ワイン」としてリリース中です。
山梨の甲州とは違ったい味わいの甲州。
是非一度お試しください。
無濾過甲州 2017 720ml
最終濾過せずボトリングし、ぶどう本来の果実感やふくよかさを持たせています。酸味と果実味のバランス良く、かすかな苦みが全体を引き締めています。はものエスカベッシュやスズキのマリネ、茄子の揚げ浸しなどと良くあいます。
1500円（税別）
基本情報
- 葡萄収穫年 2017年
- 醸造本数 4000本
- タイプ 白ワイン
- 味わい 辛口
- 容 量 720ml
- 葡萄品種 甲州
- 葡萄産地 山梨
- アルコール 11%
テイスティングコメント
| 色 | 透明感のある緑がかった黄色。飲み進めるごとにややうっすらと濁りが見られるが、最終フィルターを通さない未濾過由来のもの。 |
|---|---|
| 香り | 品種由来の青草の香りが広がり、りんごや白桃の香りとグレープフルーツなどの柑橘系の香りも覗かせる。 |
| 味 | 酸はやや強めでシャープなキレのある酸味と果実味がバランスよくまとまっている。キレのある辛口ながら柑橘系の爽やかな印象。心地よい酸が食欲を増進させ、アペリティフにも良さそう。 |
| 総評 | 和食全般の料理との相性はよい。魚介料理や酢の物や鍋料理、お寿司や木の芽の天ぷらなど良く合う。 |
甲州スパークリング 2016 750ml
フレッシュで爽やかな柑橘系の香りと果実味、酸味があり、全体を上品な苦味で引きしめています。ほのかな甘味のバランスがとても良く、口中に果実香の余韻がたなびきます。食前から食中まで幅広く料理と一緒にお楽しみ頂けます。
1800円（税別）
基本情報
- 葡萄収穫年 2016年
- 醸造本数 6000本
- タイプ 白ワイン
- 味わい 辛口・発泡性
- 容 量 750ml
- 葡萄品種 甲州
- 葡萄産地 山梨
- アルコール 11%
テイスティングコメント
| 色 | 明るいグリーンがかった薄い黄色。輝き、清澄度ともに良好。 |
|---|---|
| 香り | ボリュームは中程度。フレッシュでレモンや柚子を思わせるクリーンな果実香。 |
| 味 | すっきりしたアタックで、フレッシュでほどよい酸と微かに感じる甘みとのバランスが心地よい。この微かな甘みが果実味豊かでボリュームのある味わいに繋がった優しいふくよかなタイプの辛口スパークリングワイン。 |
| 総評 | フィニッシュは中程度でアフターに甲州特有の苦みが僅かに感じられ、根菜類全般との相性がよさそうである。出汁の旨みの効いた筍の土佐煮や、シンプルに温野菜のサラダなどと合わせたい。 |
文：黒井
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