滴り落ちる樹液 ぶどうの涙

春の草花が徐々に芽吹き始める中、ぶどう樹も活動を始めます。
昨年12月から続けていた剪定作業も、一段落したと思ったら今度は収穫に向けての防除作業。
3月の後半で気温が上がってくるとぶどうの樹液流動“水あげ”が活発化し、剪定した切り口からは瞬く間にポタポタと樹液が滴り落ちます。
冬の間は枯れたようなぶどうも、冬眠から目覚め一気に息を吹き返すかのようです。

又この水あげを待って始める作業が結果母枝の誘引です。
ぶどうはその年に萌芽する新梢に花房がつき実がなるので、新梢のことを結果枝ともいいます。それに対して、昨年の新梢が木質化した枝のことを、その芽から今年の新梢が萌芽するので結果母枝と呼びます。
春先に水を吸い上げ始めた枝は柔軟性を帯びてきますので、垣根に水平に張られたワイヤーへ固定=誘引していきます。

この水あげと云われる活動、英語では樹液を出すという意味のブリーディング(bleeding)、フランス語では涙という意味のプルー(pleurs)と呼ぶそうです。

文:黒井
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