ワインのコルク

ワインにはコルク栓があたりまえというのは10年前までのお話。
今ではスクリューキャップやZORK栓、ガラス栓などコルク以外にも様々な栓がワインに使われています。
今回は中でもコルクについてのお話。
(写真の右からノマコルク、圧搾コルク、スパークリング用のコルク)
ワインのガラス容器(ワインボトル)は18世紀に発明されてからワインの瓶熟成という概念が出来上がったそうですが、コルクはそれ以前の2000年前からあったそうです。容器の栓としてアクセサリーとして、加工のしやすさや弾力性などから色々な製品になっていたそうです。
ワインのコルク栓(天然コルク)もポルトガルが主要産地として使われてきましたが、最近は色んな国がワインを作り出し生産量の増加、気候の変動などの影響で安定した品質の天然コルクが非常に少なくなってきています。
特に日本へ輸入される天然コルクはブショネと呼ばれるコルク汚染によるワインへの悪影響が目立ち始め、丹波ワインでは10年ほど前から圧搾コルク(コルク粒を圧着して整形したコルク)を一部の商品に使い始めました。
その圧搾コルクも最近ではブショネの影響が少なからず確認されたため、丹波ワインでは原料がサトウキビ由来のバイオプラスチックに加工した合成コルクのノマコルクに変わっていきます。酸素透過性を調整できたり、ブショネのリスクを回避できたり、コルク片がワインに落ちないなどと、なかなかのスグレモノのノマコルク。
世界のワイン市場では合成コルクの35%はノマコルクだそうです。
天然コルクに限りなく近いノマコルク。
見た目もコルクに近く、品質が安定していくのは嬉しい限りです。

左から天然コルク、圧搾コルク、ノマコルク。
ブショネの影響がないことはもちろんですが、抜栓時にコルク屑がワインに入らないのもノマコルクの特徴です。