ワインは本来シンプルなもの。
和食の考え方をワイン造りに活かしてみたい

そう語るのは女性醸造家(エノログ)内貴麻里。和食は旬の食材をアクやえぐみを取り除き、料理人が少し手を加えることによって美味しい料理になります。同じように最良のぶどうであれば人の手をほんの少し加えることによって美味しいワインが生まれるはず。その信念のもと2年間試行錯誤を重ねてできあがったのが酸化防止剤無添加スパークリングの「てぐみ」です。

まずは種ありのデラウェアを、糖度や酸度のバランスが最良な状態で収穫していただくよう栽培農家さんへお願いしました。その上で入荷されたぶどうを素早く搾汁。窒素置換する密閉式の新しい搾汁機を導入し、ジュースにした後は極力酸素との接触をさせないよう細心の注意を払うようにしました。

ジュースは一旦タンクで寝かせてデブルバージュという清澄作業を行いますが、通常のワインと比べると強めに不純物を取り除いてやります。取り除きすぎると旨みや酵母が活動できる栄養素が無くなるため発酵がすすまないのですが、このギリギリの線を見極めるのがエノログの腕の見せ所。ぶどうに含まれる酒石酸もこの時にある程度取り除いていきます。酒石酸を取り除きすぎると酸味のないボケたワインになり、残しすぎると冷やした時にワイン中で結晶化します。結晶化した酒石酸が泡で巻き上がりワインが吹きこぼれるので、絶妙なバランスで残してやらないと美味しいワインにはなりません。

発酵とボトリングのタイミングは一番気を遣います。まさに時間単位です。発酵終了直前、狙い通りのガス圧になるように少し残糖がある状態でボトリングしていきます。「ワインに耳を傾け、酵母が最良の状態で瓶の中で活躍できるシーンを造ってやるのが私の仕事です」。細心の気を配りながら美味しいワイン造りへの情熱を語る内貴。

できるだけぶどうの持つポテンシャルを活かし、酸化防止剤を加えないワイン。果汁を綺麗にし、酒石酸をバランス良く取り除く、引き算のワイン。澱や酵母の香るぶどうのポテンシャルがそのまま活かされた味わいの「てぐみ」。是非一度おためし下さい。

てぐみラインナップ

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