京都嵐山 鳥米

嵐山と鈴虫寺の真ん中。庭園からは松尾大社の大鳥居が望める、まさに風光明媚な名所に位置する「鳥米」。
創業明治二十一年、代々伝わる名物、「活鶏水煮( 水たき)」の味を求めて、日本全国から訪れるリピーターは数多い。
鳥とお米を究極に美味しく楽しんでもらうため、日々試行錯誤を重ねる老舗料亭六代目当主の田中良典さんにお話をお伺いしました

当主 田中良典さん


 「幼いころから白衣を着て店内を走り回っていました。店が遊び場だったんです」。
先代の父親からは店を継ぐように一言も言われた事はなかったものの、「父の知り合いが遊びに来た時には『跡取り』などと呼ばれてましたので店を継ぐものだと思っていました。父親の作戦だったんですかね」と語るのは創業明治21年、百三十年以上続く京料理「鳥米」の田中良典さん。養鶏にも直接携わっていたことのある鶏の全てを知り尽くした老舗料亭の六代目です。

極上の鳥と米を楽しんでいただくため日々試行錯誤します

 鶏は西日本の季節ごとの状態が良く飼育日数の長い鶏を用い、更に独自の方法で熟成をかけると言います。旨みを凝縮させ一段と香りを際立たせ硬くならない、ほどよい硬さの肉質を実現するためだそうです。その鶏肉を使った活鶏水煮(水炊き)は鳥米の名物となっていて、鶏の頭と足の小骨だけで取るスープは二日間かけて灰汁を取り、脂を濾すことでより滑らかに仕上げていきます。代々受け継がれてきた方法ですが、鶏ガラからの旨みが出る最適な温度帯、火加減、火を止めるタイミングなど更なる理想を求めて試行錯誤が続くと言います。
またお米にも並々ならぬこだわりがあります。毎年作柄のよい5種類ほどの新米を取り寄せ食味し、その中から良いものを3種類に絞り込みます。更に3種類のブレンド比率を決め、そのお米を一年間使うというのです。翌年になれば同じ作業を繰り返し新たにブレンドする米と比率を決めます。
「毎年作柄によって米の個性に違いがあり米の粒感、食味は変わります。最適なブレンドは毎年違っていてワインのアッサンブラージュ(ブレンド)と同じです」。
そこまでお米にこだわる理由を伺うと「屋号が鳥と米ですからね。究極は鳥とお米の美味しい鳥米になるのが目標。お客様にはチキンライスと覚えて欲しいですね」と笑います。田中さんは京都府の優れた米を審査するコンテストの最終審査員6人の一人でもあるのです。
そんな田中さんのお気に入りの丹波ワインは「京都丹波ピノ・ブラン」。鶏は油脂分を多く含みます。華やかな香りとともに、少し甘みを感じる厚みのある果実感にシャープな酸が寄り添うピノ・ブランは、この油脂分を洗い流すのではなく渾然一体となってお互いが相乗すると言います。またてぐみ白は、とりあえずビールを少量欲しいというお客様にお薦めすると、最初スパークリングワインは苦手という方でもクラフトビールみたいと好評で、少量でいいと言いながら結局2本空けてしまうお客様もいらっしゃるとか。これも油脂分の多い鶏料理との相性がよく、合わせやすいからなのだそうです。
京都嵐山のお酒の神様松尾大社に隣接している鳥米は、地元や観光のお客様の多様な需要から、提供する料理は活鶏水煮のほか懐石料理、すきやき、松花堂弁当など多種に渡ります。今後は茶懐石料理がお茶を美味しく飲むためにあるように、鶏とお米を美味しく召し上がっていただくためのお料理を楽しんで頂きたいと言います。
ノルディックスキーで京都府の強化選手だった田中さん。ストイックに競技に打ち込んだ精神で、鶏とごはんを美味しく食べるためのお料理と美味しい鶏とは?を突き詰めていきます。

このお店が推薦する丹波ワイン
てぐみ 白 750ml
てぐみ 白 750ml
タイプ:白ワイン
味わい:辛口・発泡性
容 量:750ml
葡萄品種:デラウェアなど
葡萄産地:山梨、山形、香川
アルコール:10%

 

 
このワインが気になる


京都丹波 ピノ・ブラン
京都丹波 ピノ・ブラン
タイプ:白ワイン
味わい:中口
容 量:750ml
葡萄品種:ピノ ブラン85%、ショイレーベ15%
葡萄産地:京都府船井郡京丹波町
アルコール:11%

 

 

このワインが気になる

 

 京都嵐山 鳥米

【お  席】
350席(個室13部屋)
【営業時間】
Lunch:11:00〜15:00(L.O.15:00)
Dinner:17:00〜22:00(L.O.21:00)
【定 休 日】
水曜日ほか不定休
【所 在 地】
京都市西京区嵐山朝月町66
【電  話】
075-872-7711
【ご 予 約】
一部予約制
【w e b】
https://www.toriyone.com/

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