パークハイアット京都 田中智浩 さん

世界から集う

豊臣秀吉の正室・北政所が秀吉の菩提を弔うために建立した高台寺。
京都市内を一望できる見晴らしの良いこの地に、世界中から富裕層が訪れるラグジュアリーホテルとして2019年10月に開業したパークハイアット京都。
ワインは元より、日本酒、ジンなどのアルコールからお茶に至るまでの全ての飲料を統括するビバレッジマネージャーで、シニアソムリエの田中智浩さんにワインに対する思いをお聞きしました。

ビバレッジマネージャー 田中智浩 さん

田中さんは11年に及びフランスで、ソムリエ・ワイン造り・観光に関わる仕事などを経験してきたユニークなキャリアの持ち主。学生時代からホテルでアルバイトをし、ワインに親しんでいたが、卒業後に名古屋のフレンチに就職。ソムリエの資格を取得する。そんな時2002年FIFAワールドカップで日本代表選手の活躍に触発され、海外に活躍の場を求め渡仏を決意した。
フランスではパリのワインショップで働きはじめ、そのうち日本人観光客をボルドーやシャンパーニュなどのワイン産地へ案内する業務も担当するように。生産者の元へ通う内に、もっと本格的にワインを学びたいと思った田中さんは、ボルドーのChateau Haut Baillyで働くチャンスを得ることに。「ワイナリーでは醸造が中心でしたが、栽培に関わる仕事もさせてもらいました。何よりワイン造りに何が大切か考えさせられました」と振り返る。

生産者の想いをお客様へお伝えする、それが我々の使命です

「ワインに良い葡萄は欠かせません。葡萄の成熟度、糖の乗り具合、酸とのバランスこれらの要素が大切です。これらの葡萄の個性や土地の特性を表現するワイン造りには酵母が健全に働ける環境をつくるために、バクテリアをコントロールする事が大事です。科学的知見に基づいたしっかりした造りがあってこそ、葡萄や土地の個性を表現できるのだと思います」と語る田中さん。
ワイナリーで一年半過ごした後、再びパリに戻った田中さんは、1つ星のフレンチを皮切りに、日本人シェフ吉野氏のSTELLA MARISでシェフソムリエを務めたのち帰国。延べ九年間をフランスで過ごした。

現在パークハイアット京都では日本酒やジンなどのオリジナル商品を手掛けている。ワイナリーでの経験が生かし、生産者のモノづくりに対する想いを大切にしている。

丹波ワインの印象を尋ねると「全体的にきれいでクリーンな印象。柔らかく、線は細いけれど繊細な軸があり、凛とした緊張感があります。派手さはありませんが、素材自体の味の個性を表現する懐石料理に通じるものがあると思います。飲み口がよくワイン単体でも楽しむことができ、ほっとする、染み入る感じがあり、自信を持ってお薦めできます。お客様にこの良さをもっと知ってもらいたいです」とのこと。
『京丹波ソーヴィニヨン・ブラン』、『京丹波シャルドネ』、『京都青谷城州白スパークリング』が現在パークハイアット京都では採用されている。田中さんは「京都青谷城州白スパークリングは、アフターフレーバーが上品で、梅の自然でクオリティの高い香りが表現されていて、梅を使ったお酒の中で他の追随を許さないクオリティだと思います」。
「また京都丹波シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランは日本人のお客様、海外からのお客様からも好評です。京都に丹波ワインがあって本当に良かったと思います」。

フランスから帰国後はニューヨークから日本に初進出したフレンチの開業、その後京都でラグジュアリーホテルの開業に携わり、現在パークハイアット京都では開業から責任者としてスタッフの育成にも関わり、多忙な日々を送っている田中さん。
思い立ったらすぐに行動し、話だすと止まらない。ワインに限らず何事も突き詰めようとする姿勢からは、熱い情熱が伝わってくる。日本とフランスの最前線を渡り歩いてきた豊富な経験と知識は若いスタッフにとって大いに刺激となることは間違いない。今後の益々の活躍が期待される。

 

田中さんが推薦する丹波ワイン

京都丹波 ソーヴィニヨン・ブラン
タイプ:白ワイン
味わい:辛口
容量:750ml
葡萄品種:ソーヴィニヨン・ブラン
葡萄産地:京都府船井郡京丹波町
アルコール:13%

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京都青谷産スパークリング城州白梅ワイン
タイプ:梅ワイン・発泡性
味わい:甘口
容量:750ml
梅品種:城州白梅
梅産地:京都府城陽
アルコール:9%

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 Park Hyatt Kyoto

【所 在 地】
京都府東山区桝屋町360
【電  話】
075-531-1234
【web】
https://www.hyatt.com/ja-JP/hotel/japan/park-hyatt-kyoto/itmph